自社開発パイプライン

自社開発パイプラインには、開発早期や前臨床段階の複数の候補薬があります。主に神経疾患、消化器系疾患、炎症性疾患などの重要な治療領域を対象としており、最も有望と思われる開発品のみを臨床試験に進め、商品化までを独自で行う計画です。

第3相

ダリドレキサント

適応: 不眠症

モダリティ: 低分子

完全所有:


ダリドレキサントは、覚醒を促す神経ペプチドの結合を選択的に阻害するデュアルオレキシン受容体拮抗薬(DORA)です。2022年10月、ダリドレキサントは日本人の不眠症患者を対象とした第3相臨床試験で良好なトップライン結果を得、2023年下半期に日本で新薬承認申請予定。米国および欧州では承認されており、イドルシア社からQUVIVIQ®として販売されています。当社はダリドレキサントの日本およびAPAC(中国を除く)の権利を有しています。

 

+プレスリリース

2023.10.31 適時開示: 不眠症治療薬デュアルオレキシン受容体拮抗薬「ダリドレキサント」(開発コード:ACT-541468)の日本における製造販売承認申請のお知らせ

第1/2a相

EP4 拮抗薬

試験薬剤名: HTL0039732

適応: がん免疫

モダリティ: 低分子

完全所有:


当社グループは、腫瘍の微小環境におけるPGE2の免疫抑制作用を調整する、新規の選択的EP4受容体拮抗薬の研究開発を進めています。

2022年7月、世界最大の民間がん研究基金である Cancer Research UK(英国王立がん研究基金)と、当社グループの免疫療法薬の初の臨床試験(FIH 試験)実施に関する契約を締結しました。

本臨床試験およびライセンス契約に基づき、Cancer Research UK の Centre for Drug Development が新規選択的 EP4 拮抗薬 HTL0039732 の第Ⅰ/Ⅱa 相臨床試験の資金拠出、デザインおよび実施を担います。当社グループは臨床試験の開始に向け、GLP に準拠した毒性試験、治験薬(IMP)製造、その他必要な前臨床試験を含む臨床試験許認可(CTA)を得るための活動を担います。当社グループは、HTL0039732 の臨床開発および商業化を進めるために、本試験で得られた成果に対するライセンスを保有します。

 

+ 臨床試験

 

プレスリリース

前臨床

ムスカリン M1作動薬(日本)

試験薬剤名: 非開示

適応: 神経疾患

モダリティ: 低分子薬

完全所有:


2021年11月、当社グループは、ニューロクライン社と新規ムスカリン受容体作動薬に関する戦略的研究開発提携およびライセンス契約を締結しました。

本契約に基づき、ニューロクライン社は、当社グループが見出し、主要な神経疾患の治療のために開発中であり、臨床および前臨床段階にある新規サブタイプ選択的ムスカリン M4、M1 および M1/M4 デュアル受容体作動薬の広範なポートフォリオの研究開発および商業化の権利を取得します。当社グループは、日本でのすべての適応症を対象にしたムスカリン M1 受容体作動薬の開発販売権を保持し、ニューロクライン社は、日本でのムスカリン M1 受容体作動薬に対する共同開発および共同販売のオプション権を保有します。

 

+ プレスリリース

前臨床

EP4 作動薬

適応: 炎症性腸疾患

モダリティ: 低分子

完全所有:


当社グループは炎症性腸疾患を対象としたEP4作動薬(経口投与低分子薬)を開発しています。プロスタグランジンEP4受容体は、炎症性腸疾患の感受性遺伝子候補として知られており、粘膜バリアーの恒常性を維持する上で重要な役割を果たしています。EP4は粘膜治癒を改善することによって臨床的効果をもたらすことが期待されています。当社のリード分子は、腸疾患に対する新規のEP4作動薬で、非臨床モデル全般において強力な有効性を示しています。

創薬

SAR-CoV-2メインプロテアーゼ

試験薬剤名: SH-879

適応: コロナウィルス感染症

モダリティ: 低分子

完全所有:


2020年4月、当社グループはSARS-CoV-2コロナウイルスを標的とした、COVID-19感染症の新規治療薬研究開発プログラムを開始しました。当社の構造ベース創薬技術と最先端のテクノロジーにより、ウイルス複製に重要な役割を果たすSARS-CoV-2MProプロテアーゼの新規阻害剤候補化合物を創製しました。既に治験候補薬となる可能性がある化合物を特定しており、さらに開発を進めていきます。 MPro阻害剤SH-879は、COVID-19感染症治療の経口薬として今後の開発が期待されています。

  • 細胞ベースのアッセイにおいて、SARS-CoV-2に対してファイザーの経口薬候補PF-07321332と同等の抗ウイルス活性を示している。
  • in vitroクリアランスが低く、in vivoクリアランスが優れており、ウイルスを阻害するために重要となる血中濃度が経口薬でも高い。
  • ファイザー社のPF-07321332と比較して、ヒトの臨床試験でPKを高めるためにリトナビルとの併用投与を必要としない可能性がある。

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