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Discngine社は、Sosei Heptaresが同社製のソフトウェア3decision®を活用してこれまでに例のないGPCR構造ケモゲノミクスプラットフォームを 構築することを発表

By Chris de Graaf | Apr 6, 2020

Discngine Press Release

ライフサイエンス研究のアプリケーション開発を専門とするDiscngine社は、Sosei Heptaresがこれまでに例のないGPCR構造ケモゲノミクスプラットフォームとして、同社製ソフトウェアの3decisionを採用したことを発表しました

3decisionによりSosei Heptaresは、公開済み構造情報と独自の構造情報を組み合わせ、GPCR構造についての独自の知見を獲得

Paris, France, April 2020 ーライフサイエンス研究のアプリケーション開発を専門とするDiscngine社は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)に注力する国際的なバイオ医薬品グループであるSosei Heptaresが、これまでに例のないGPCR構造ケモゲノミクスプラットフォームとして、同社製ソフトウェアの3decisionを採用したことを発表しました。

Sosei Heptaresは3decisionを活用して、タンパク質構造データバンク(PDB)の公開情報と独自に持つGPCR構造情報とを統合することにより、創薬に必要とされる豊富な構造情報、配列情報、および化学リガンドに関する知見を組み合わせることが可能になります。

Sosei Heptaresの研究者は、3decisionを活用することにより、前例のないGPCRの構造に関する知見をより効率的に獲得できるようになります。こうして得た知見は、独自の構造ベース創薬(SBDD)に直接利益をもたらし、GPCR構造ケモインフォマティクスにおけるSosei Heptaresの高い専門知識をさらに強化するのに役立ちます。

さらに、GPCRモデリング、ケモインフォマティクス、変異生成データ、およびStaR®(安定化された受容体)技術によって得た情報など独自の構造情報をより容易に組み合わせることができるようになります。例えば、Webアクセス可能なフロントエンドを介して、変異生成情報を3Dで簡単に視覚化したり分析することもできるようになります。

3decisionは、Webベースのインターフェースを介して、3D構造、生体分子配列、その他のメタデータからのデータを、構造に関する知識に変換する構造分析プラットフォームです。専門家以外でも構造モチーフ、類似のシーケンスとポケットを検索し、仮説を即座に検証することが可能です。3decisionを使用すると、プロセス全体で観察結果を共有できるため、計算化学者、医薬品化学者、構造生物学者、タンパク質エンジニア間のギャップを狭め、チーム全体に構造データが提供されます。

Sosei Heptaresの計算化学部門ディレクターであるクリス・デ・グラーフは次のように述べています。「Discngine社との協働、および私たち独自のGPCR構造情報を3decision上で統合することにより、GPCRome全体でこれまでに例がない構造ベース創薬の可能性が明らかになります。私たちは、3decisionにより、SBDDプロジェクト内において実験的に得られた構造情報と、コンピュータ予測の組み合わせによる分析をより効率的に行えるようになることを期待しています。」

Discngine社の3decisionプロダクトマネージャーであるPeter Schmidtke氏は次のように述べています。「Sosei Heptaresは、GPCRの分野において高い技術を有する企業としてよく知られています。彼らは、構造に関する新たな知見とX線解析による独自のGPCR構造情報を、グローバルコミュニティと継続して共有しており、それがGPCRに関する知識全体を高めています。彼らとともに取り組み、ソフトウェアソリューションを提供できることを非常に光栄に思います。Discngine社とSosei Heptaresは今後緊密に連携し、変異生成データ分析活用に向け3decisionの微調整を行っていきます。そして、さらに当社のソフトウェアソリューションの価値を高めていきます。」

3decision技術は、AbbVieとの共同開発から始まり、2018年にDiscngine社によって製品として発売されました。BioIT World 2019でInnovative Practices Awardを受賞しています。

Discngine社について

Discngine 社は、パリを拠点とするソフトウェア会社で、ライフサイエンス企業の研究部門向けのアプリケーション、特に分子探索の分野を専門としています。同社はライフサイエンスにおける研究効率を高めるソフトウェアを開発するために、Pfizer社の研究同窓生2名により2004年に設立されました。現在、従業員は42名。 顧客には、製薬、化粧品、農薬業界の世界的リーダーが含まれます。 同社は従来よりカスタムソフトウェアを中心に開発を行っているほか、ソフトウェアコンポーネントのライセンスや、最近ではビジネスソリューションのライセンスを手掛けています。 現在は、SaaSおよびクラウドベースのサブスクリプションモデルを通じてカタログ製品を提供することに注力しています。

www.discngine.com